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大規模修繕計画を円滑に進めるためのポイント

大規模修繕について

通常、マンションには長期修繕計画というものがあります。新築分譲マンションの場合には、開発事業者が予め長期修繕計画を策定しています。ただし、その時点で計画される修繕計画は比較的ラフなものです。平均的なデータに基づいて、「こういう建物の場合には、これぐらい経過した時点で、こういう修繕が必要になる(だろう)」という程度のものなのです。ですから、実際に人が住むようになると、使用状況によっては最初の計画より早い時期の修繕が必要になったり、逆に当初の計画よりも先に延ばしても大丈夫な場合があったりと、個々のマンションの状況次第で変わってくるものなのです。

そのため、より正確な修繕計画を立てられるのは、建物が出来上がってから4~5年程度経過した時点です。経年劣化の状況や使用状況による劣化の状態などもわかるようになりますから、「5年でこの状態なら、あと○年後には大規模修繕が必要になるだろう」という判断ができるようになります。建物が建つ以前に作成された長期修繕計画が常に正しい計画だとは判断しないほうが良いと思います。

さて、大規模修繕の時期は、第1回目が12年~15年の間に行われるのが一般的です。屋上には防水工事が施されているのが一般的ですが、12~15年程度経過すると、経年劣化によって防水効果が落ちてきます。また、壁面のタイル貼り部分なども防水性が損なわれてきます。それを修繕するのが第1回目の大きな目的になります。しかし現実問題として、防水性能がどれくらい落ちているか、ということを管理組合の方が判断するのは非常に難しいと思います。すでに雨漏りがしている、というような事態になっていれば明らかですが、そんな事態になるまで対応がなされていないというのは、それはそれで問題です。

さらに25年前後で、第2回目の大規模修繕が必要になります。ここでは、屋上や壁などよりも、設備関係の修繕が中心となります。給水管・排水管、エレベーターや機械式駐車場の設備などです。もちろん、屋上等の防水加工なども入ってきます。

大規模修繕を失敗しないコツ

(1) しっかりと居住者の方の合意形成をしておく 重要なポイントは居住者の方々の合意形成です。たとえば給水・排水管の修繕という場合には、各住戸の床を剥いで、給水・排水管を取り替えるといった工事が発生します。住み始めて10年、20年も経過していれば、床のフローリングなどを変更している住戸も出てきます。そうすると、入居当時のままのフローリングの住戸は10万円程度なのに、ある住戸はフローリングを高価なものに変更していたために、元に戻すのに50万円かかる、といった費用のばらつきが出てきてしまいます。そのような場合、差額の40万円をどう取り扱うかというが問題となります。実際に工事をしてしまってから、こうした問題が発生すると調整に非常な時間がかかりますので、予め合意形成しておくことが必須なのです。

(2) 管理組合の理事会とは別のプロジェクトにする 大規模修繕については、おおむね5年前くらいから準備を進めるのが理想的だと思っています。管理組合の理事会だけで、大規模修繕のプロジェクトを進めようとしてしまう場合が多いのですが、できれば、理事会とは別に大規模修繕委員会のようなものを設定して、理事会とは別に動けるようにすべきです。

クレアスコミュニティーの大規模修繕の特徴

(1) 管理組合様とのコミュニケーションを大切にしています クレアスコミュニティーは、グループ会社で分譲マンションの企画開発を扱っていますので、マンション建設に関する多くのノウハウを持っています。またクレアスコミュニティー内の建築部に一級建築士を配しており、大規模修繕においては、その専門家が管理組合のご担当者と綿密に打ち合わせながら修繕内容を決めていきます。そして、実際に工事を発注する工事会社を選定するにあたっては、こちらがベストと考える工事会社をご紹介しますが、同時に管理組合様でも独自に工事会社を選定していただくようにしています。そして、双方が選定した工事会社について比較検討した上で、より良い工事会社に発注します。私たちが選定した工事会社を一方的に押し付けるようなことはしていません。このように、私たちは管理組合様との密なコミュニケーションに基づくスムーズな大規模修繕の実施を心がけています。決して一方的に何かを押し付けるようなことはしません。これは大きな特徴のひとつだといえると思います。

(2) 毎年の点検報告書で、修繕ポイントが明確になります当社では毎年1回、管理委託を受けているマンションの状態を当社の一級建築士が点検して、予算点検報告書を作成し、管理組合様にご報告しています。不具合が発生している箇所があれば、そこを指摘して、必要な対応策についてもご提案します。当社が管理しているマンションであれば、この予算点検報告書が毎年蓄積していきますから、大規模修繕が必要な時期になった際には、この報告書を検討することで、どこを修繕する必要があるのか、ということが明確になり、スムーズな修繕工事が実施できるのです。