マンション管理会社とは?管理組合との違いや何をしてくれるかを解説

エントランス

マンション管理会社には、さまざまな種類や委託方式があります。選択肢は多数ありますが、それぞれの違いを理解してマンションのニーズに合わせた管理会社を選ぶことが大切です。

この記事では、マンション管理会社には具体的にどんな役割があるのか、また、どのような契約の仕方があるのかについて、管理組合との違いも含めて解説しています。さらに、信頼できるマンション管理会社の特徴も紹介しているので、契約先を探す際の参考にしてください。

目次

マンション管理会社と管理組合の違いは?

  • 管理会社
  • 管理組合

マンション管理会社への委託方式

  • 全部委託方式
  • 一部委託方式
  • 自主管理

管理会社の仕事内容

  • 事務管理業務
  • 清掃業務
  • 管理員業務
  • 建物・設備管理業務

マンション管理会社の種類と特徴

  • デベロッパー系
  • 独立系
  • ビルメンテナンス系

信頼できるマンション管理会社の特徴

  • 財務管理ができている
  • 建物や設備の管理ができている
  • 管理担当者に実績がある

マンション管理は信頼できる管理会社に依頼しよう

マンション管理会社と管理組合の違いは?

マンション管理会社と管理組合の違いは?

管理会社と管理組合は名前が似ていますが、全く異なる組織です。ここではまず、両者の違いについて簡単に説明します。混乱しないように違いをしっかり押さえておきましょう。

マンション管理会社

マンション管理会社とは、管理組合の代わりにマンションの管理業務を行う専門業者です。管理組合から業務を「委託される」立場であり、さまざまな業務を代行します。どの管理会社と契約するかは、多数の業者の中から自由に決められます。

マンションの管理業務は、事務管理や清掃、業者の立ち合いなど多岐にわたります。また、専門知識や経験が必要な業務もあり、管理組合で全てを担うのは大変です。

したがって、管理の負担を減らすために多くのマンションで管理会社を利用しています。管理会社が引き受けるのは主に共用部のメンテナンスです。

しかし、たとえ実務の大部分を管理会社に任せていたとしても、最終的なマンション管理の主体は管理組合にあります。マンションの管理方針を決めるのは、管理会社ではなく管理組合です。

つまり、管理会社とは、マンションのさまざまなメンテナンスの実務を行う外部組織のことを指します。

マンション管理組合

マンション管理組合とは、区分所有法に基づいてマンションの区分所有者全員で構成する団体のことです。必ず設置しなければいけない団体で、全てのマンションに管理組合が存在します。

設置の目的はマンション管理の実施です。例えば、エントランスや廊下などの共用部分、駐車場や通路などの敷地の維持管理が該当します。

マンション管理は、住人が安全で快適に暮らせるように建物内や設備を良好な状態に保ち、資産価値を維持するために行うものです。

マンションの管理業務は非常に幅広く、また設備点検など専門性の高いものも含まれます。そのため、管理組合の負担を減らすために、多くのマンションが管理会社へ業務の全てや一部を委託しています。

管理会社が管理の実務を行う外部の組織であるのに対し、管理組合は方針の決定権を有するマンションの持ち主であり、内部の組織です。管理組合が決定・指示を行い、管理会社がそれに基づいて実務を行います。

したがって、管理会社に実務を任せる場合でも、管理組合は作業内容や実態を把握している必要があります。

マンション管理会社への委託方式

マンション管理会社への委託方式

管理会社への委託方式には、次の3つがあります。

  • 全部委託方式
  • 一部委託方式
  • 自主管理

ここでは、それぞれの特徴について1つずつ説明します。その方式がそのマンションに適しているかは、管理組合の対応できる範囲や予算などによって異なります。マンションの規模や予算などを考慮して、どの方式が良いか検討しましょう。

全部委託方式

全部委託方式とは、マンション管理に関わる業務を一括して管理会社に任せる方式のことです。多くのマンションで採用されている一般的な方式で、かつ管理組合の負担がもっとも少ない方式です。プロに全てを任せるため、管理の質を維持しやすいというメリットもあります。

日々の業務やマンションの状態は管理組合へきちんと報告されます。しかし、管理を完全に他人任せにすることにより、区分所有者の管理への意識が低下する可能性があります。

一部委託方式

自主管理を基本としつつ、管理の一部を管理会社に委託する方式です。主に設備点検や清掃などを専門業者に発注します。

管理組合で契約先を選べるため、管理会社と業者ごとに直接契約を結ぶことでコストを削減できる可能性があります。しかし、それぞれの業者別にメンテナンス状況を確認したり出費を計算したりと、管理組合の負担が大きくなる懸念があります。

自主管理

管理会社に頼らず、管理組合だけでマンションを管理していく方法です。エレベーターや駐車場があるなど、マンションの規模が大きいほど必要なノウハウも増加します。

業者を使わないため管理費を安く抑えられますが、管理組合の負担が大きくなります。管理の経験がある人がいない限り、専門の業者に依頼するような質の良い管理は困難です。また、管理費や修繕積立の取り扱いが不透明になる可能性も考えられます。

自主管理は管理会社を頼らない分管理費を大きく削減できますが、デメリットやリスクもたくさんあります。自主管理を選択する際は慎重に検討しましょう。

管理会社の仕事内容

管理会社の仕事内容

管理会社の仕事には、主に次の4つがあります。ここでは、それぞれの具体的な業務内容について解説します。

  • 事務管理業務
  • 清掃業務
  • 管理員業務
  • 建物・設備管理業務

なお、上述した自主管理の場合は、これらの業務を全て管理組合が担うことになります。逆に、全部委託方式では全てを管理会社に任せます。どれを管理会社に任せるか、どこまでなら管理組合で負担できそうかなどを考えながら読むことをおすすめします。

事務管理業務

管理費の収納・出納、家賃滞納者への督促、各種契約の代行といった主にお金に関する管理業務を行います。その他にも、管理組合の理事会と総会の支援業務や、重要書類の保管などの事務作業があります。

清掃業務

エントランスやロビー、ゴミ置き場、共用廊下、外階段、壁面ガラス部分などの清掃業務を行います。清掃業務は、管理会社が専門の他社に委託する場合もあります。

清掃は「日常清掃」と「定期清掃」に分けられ、日常清掃は共用部全般の掃き・拭き作業、ゴミ出しといった作業を指します。一方、定期清掃は日常的に行うのが難しい、専門業者による床面の機械洗浄作業やワックス仕上げが主で、年間数回の頻度で実施する作業を指します。

管理員業務

管理員業務には次の4つの業務があります。雇用契約などを結んで管理業務の委託を受けているマンションに常駐し、日常的な管理業務を行います。

  • 受付業務
  • 点検業務
  • 立会業務
  • 報告連絡業務

受付業務は、居住者の問い合わせや来客への対応、共用部分の鍵の管理や貸出、備品管理などが該当します。例として、マンションのエントランスで見かける管理人が行っている業務が受付業務に当たります。

点検業務は、建物や設備の目視点検、電球の点検・交換、無断駐車や無断駐輪のチェックなどです。マンションの規模や設備によって細かい業務内容が異なります。

また、立会業務には、外注業者の作業時の立ち会い、ゴミ収集時の立ち会いなどが該当します。そして、報告連絡業務には、管理組合の文書の配布・掲示、各種届け出や点検結果の報告、事故発生時の連絡や報告などが含まれます。

建物・設備管理業務

建物・設備管理業務では、エレベーターや電気設備、給排水設備、消防用設備、機械式駐車場など各種設備のメンテナンスを行います。また、法律で定期的な点検が義務付けられている業務も担当します。

マンションの安全性に大きく関わるので、4つの仕事の中でも専門の他社へ委託することが多い業務です。

マンション管理会社の種類と特徴

マンション管理会社の種類と特徴

マンション管理会社には、次の3つの種類があります。

  • デベロッパー系
  • 独立系
  • ビルメンテナンス系

ここではそれぞれの特徴について詳しく説明します。違いを明確に理解し、メリットやデメリットを押さえましょう。

デベロッパー系

デベロッパー系とは、建設会社の子会社がマンションを管理しているタイプの管理会社のことです。多くの場合、親会社がマンションの施工・販売を行って、子会社が管理するという形式になっています。

親会社と連携しているため設計や建設に関する情報を豊富に持っており、対応も早いので質の高い管理を受けられるというメリットがあります。一方で、高品質な分独立系よりも費用が掛かるというデメリットもあります。

独立系

独立系とは、系列グループを持たない管理会社を指します。管理委託の費用が安い傾向にありますが、修繕において過剰仕様な工事や割高な工事を提案されることがあります。

さらに、管理会社によっては管理費用を安くするためにマンション管理の質が落ちる場合があるため、注意が必要です。後述する信頼できるマンション管理会社の特徴を参考にして、良質な管理会社かどうか判断しましょう。

ビルメンテナンス系

ビルメンテナンス系とは、ビルやマンションのメンテナンスをメインとしている管理会社のことです。設備管理・清掃などのハード面に強いという特徴があります。

上述の2つと比較して建築・設備の有資格者が多いものの、ビルのメンテナンス専門のためマンション専門の有資格者は少ない傾向があります。事務管理や管理員業務の経験がある人が管理組合にいる場合は、設備管理と清掃の専門業者として一部委託する方法がよいでしょう。

信頼できるマンション管理会社の特徴

信頼できるマンション管理会社の特徴

ここまで、マンションの管理会社の特徴や業務について解説しました。ここからは、信頼できる管理会社の特徴を3つ紹介します。管理組合のニーズによって最適な管理会社は異なりますが、最低限のチェックポイントとして管理会社を選ぶ際の参考にしてください。

  • 財務管理ができている
  • 建物や設備の管理ができている
  • 管理担当者に実績がある

財務管理ができている

管理会社を選ぶ際、財務管理ができているかどうかを必ずよく確認しましょう。管理組合から預かったお金をどう分配してマンション管理に当てているか、点検業務や修繕業務を委託している会社を適切に選べているかなどをチェックしてください。

また、

  • 滞納解消のためのノウハウがある
  • 回収に精通している
  • 体制が整っている

なども確認しておくとよいでしょう。支出を普段どのようにやり繰りしているのかを調べることで、修繕工事などでまとまった資金が必要になった場合でもスムーズな進行ができます。もし不明瞭な点があれば、担当者に問い合わせるなどしてみてください。

建物や設備の管理ができている

財務管理に加えて、建物や設備の管理についても確認してください。具体的には、長期修繕計画の作成と5年程度ごとの更新が行われていて、合理的な資金計画を立てられる管理会社を選びましょう。

管理業務や清掃業務が行き渡っていないと、傷みや荒れが激しくなり、資産価値の低下につながります。入居希望者が減少する原因になってしまうため、建物と設備の管理実態を必ず確認しましょう。

また、駐車場や駐輪場、エレベータホールや廊下などは清潔になっているか、廊下の電球が切れていないかなどもチェックしてください。共用部を細かい所まで見て回り、どの程度丁寧に管理がされているかを調べましょう。

管理担当者に実績がある

最後に、実際に管理を行う担当者に資格や経験があるかどうかも信頼できる管理会社を見極めるポイントです。

点検業務や報告業務などの業務内容は同じでも、管理の質は実際に業務を行う管理会社のスタッフの能力次第で大きく左右されます。例えば、エレベーターなどの設備の定期点検も、有資格者によって確実に行われているかどうかで管理の質が変わります。

管理担当者を決定する前に、「管理業務主任者」や「マンション管理士」などの国家資格、設備関係の資格の有無を確認しましょう。また、現在の担当物件数も聞いておくことをおすすめします。担当物件数が多いと、個々に対する管理の質が維持できないケースが多いためです。

最初に管理担当者の経歴を確認することも大切ですが、できれば、管理組合の意向で担当者を随時変更できるように管理会社と打ち合わせをしておくとよいでしょう。管理に不満があった際、改善に向けて迅速に対処できます。

マンション管理は信頼できる管理会社に依頼しよう

マンション管理は信頼できる管理会社に依頼しよう

この記事では、マンション管理会社の委託方式や業務内容、信頼できるマンション管理会社の特徴などを紹介しました。委託方式や管理会社の種類を把握し、マンションのニーズと照らし合わせて適切なものを選びましょう。

管理会社による管理は、マンションの資産価値に直結します。

財務管理や建物・設備の管理、管理担当者の実績など、管理会社を選ぶ際に確認すべきポイントをしっかり理解して、信頼できる管理会社に依頼しましょう。

なお、「記事を読んでも最適な管理会社が分からない」「考慮することが多すぎて大変」という方は、クレアスコミュニティーにご相談ください。
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