マンション管理委託費用の相場はいくら?委託するメリットも解説

街路樹越しのマンション

毎月発生するマンション管理委託費用。どれくらいが相場かご存知でしょうか。「高いのか安いのかわからない」「適切な費用なのかわからない」という方も多いと思います。

今回は、マンション管理委託費用の相場や、管理を委託するメリット・デメリットなどを解説します。

マンション管理委託費の構成要素

マンション管理委託費の構成要素

マンション管理委託費とは、住んでいるマンションの管理会社に対して毎月支払う費用のことです。修繕積立金とは別の扱いとなり、「管理委託費」と「修繕積立金」に分けられます。

マンション管理委託費の構成要素は5つあります。

  1. 事務管理業務費(管理業務にかかる費用全般)
  2. 管理員人件費(管理員の報酬および管理員業務経費)
  3. 清掃業務費(清掃業務にかかる費用)
  4. 建物・設備管理業務費(メンテナンス費とその人件費)
  5. 管理報酬(管理会社の利益)

この中には、エレベーターの保守費用や消防設備点検費用などが含まれる場合もあります。

マンション管理会社への管理委託費用の相場は?

マンション管理会社への管理委託費用の相場は?

管理委託費の平均額の相場は、戸あたりに換算すると月々15,000円前後で、管理費会計からの支出の7割程度を占めています。これはあくまでも相場であり、マンションの規模や設備の数で変動します。特に、総戸数規模が大きくなるマンションほど管理費が低くなる傾向にあります。

管理委託費相場の根拠は、国土交通省による管理費の相場の数値です。管理費と同程度の管理委託費が必要になるため、こちらを基に推定しています。

国土交通省の『平成30年マンション実態調査』では、駐車場使用料等からの充当額を含む月/戸当たりの管理費総額の平均は15,956円となっています。単棟型の平均額は16,213円、団地型の平均は14,660円です。
参照:平成30年度マンション総合調査

したがって管理委託費も、同程度の1戸あたり月15,000円程度が相場となります。

マンション管理を管理会社に委託するメリット

マンション管理を管理会社に委託するメリット

マンション管理を管理会社に委託するメリットは、役員の負担が減ることです。管理会社は、設備管理や修繕、メンテナンスなどマンション管理に関して専門的な知識と豊富な経験を有しています。

マンション管理に関わる業務の大部分を管理会社に任せられるので、マンション管理に関する専門的な知識がなくても、資産価値を下げることなく管理できます。

管理会社への委託方式で多いのは、全部業務を任せる「全部委託」と一部の業務を任せる「一部委託」です。一般的には「全部委託」で任せることが多く、管理業務の負担を大幅に軽減できます。

「一部委託」の場合は、「全部委託」と比べて手数料を安くでき、コスト面を抑えることが可能です。

マンション管理を管理会社に委託するデメリット

マンション管理を管理会社に委託するデメリット

マンション管理を委託会社に任せるデメリットは2つあります。区分所有者のマンション管理への意識が薄れる可能性が出てくることと、管理を委託するための費用がかかることです。

費用は委託管理会社によって異なりますが、管理の質が高い場合は、費用が高くなる傾向にあります。高品質で費用が高くなるのは納得できても、悪質な管理業者へ委託すると実際の費用よりも高額の作業費用を請求されるケースもあるので、注意が必要です。

委託費用を抑えるなら「一部委託」がおすすめ

委託費用を抑えるなら「一部委託」がおすすめ

マンション管理委託費用を抑えるなら、「一部委託」方式にするのがおすすめです。「一部委託」とは、管理会社にマンション管理業務の一部を委託する方式で、残りの業務を管理組合が担当するため費用を抑えることが可能です。

残りの業務は管理組合で対応するか、もしくは清掃などの一部業務だけ別の会社に依頼することになりますが、デメリットが2つあります。

  • 自分たちで直接発注・交渉などをしなければならない
  • 業務の実施状況のチェックや契約管理など、管理組合の負担が大きくなる

直接契約により仲介手数料を安くするメリットがある反面、負担となる業務が増えます。

例えば、点検や清掃などを業者に依頼する場合、自分たちで依頼先の業者を探さなければなりません。時間や手間がかかるうえ、質の悪い業者を選んでしまう可能性もあります。

以前は、管理会社に委託せずに管理組合がすべてやってしまう「自主管理」という方式もありました。「一部方式」以上に管理費用を安くできますが、役員の負担が大きいというデメリットにより、現在では取り入れらることが少ないです。

管理委託費が安い管理会社を選ぶとどうなる?

管理委託費が安い管理会社を選ぶとどうなる?

管理委託費が安い管理会社を選ぶと、どのようなことが起こりうるのかご紹介します。

徴収する管理費が減る

管理委託費が安いと居住者から徴収する月々のマンション管理費が減ります。居住者にしてみれば、マンション管理費の負担は少ない方がうれしいと感じる人が多いでしょう。

また、金額の負担が小さくなることで、月々徴収する修繕積立金の滞納リスクも減らせる可能性があります。

適切なサービスが受けられない可能性がある

管理委託費が相場よりも安い場合は、本来であれば行われるサービスを受けられないケースがあります。管理会社は、基本的にもらった費用分のサービスを行うので、費用が安くなるとサービスの質が低下する可能性が高いです。

例えば、不定期に発生する清掃や設備点検が行われていないなどの不都合が生じる場合があります。管理がおろそかになるとマンションの劣化につながり、結果的に管理委託費や修繕積立金の費用を見直さなければいけなくなる可能性もあるでしょう。

管理委託費が高い管理会社を選ぶとどうなる?

管理委託費が高い管理会社を選ぶとどうなる?

費用が相場よりも高い場合、その分充実したサービスを受けられる可能性が高まります。

例えば、共用設備が多い大規模マンションは、設備管理の手間も大きくなるため管理委託費が高くなりやすい傾向にあります。その分、点検や清掃などを適切に行ってくれれば、マンションの資産価値も下がりづらくなるでしょう。

また、マンションの築年数が経過し、経年劣化が進んでいる場合は高くなりやすいです。大規模な清掃や点検、あらゆる場所の補修をしなければならないからです。

ただし、管理会社が不当に利益を確保している可能性も考えられます。支払っている管理委託費に見合ったサービスを受けられているかどうかを常に検討しなければなりません。

管理委託費は定期的に見直そう

管理委託費は定期的に見直そう

適切な管理委託費はマンションの規模によって異なりますが、高すぎたり安すぎたりしないよう定期的に見直すことが大切です。

高すぎる場合は不必要な点検やサービスが管理委託費に含まれていたりするので確認が必要です。逆に安すぎる場合は、サービスの質が低下することなどが考えられるので、生活に影響が出る恐れがあります。それぞれのメリットやデメリットを理解したうえで、定期的に確認するようにしましょう。

もしも、管理会社のサービスや対応に不満を感じた場合は、管理会社を見直すことも視野に入れる必要があります。

マンションの規模に見合った管理会社に委託しよう

マンションの規模に見合った管理会社に委託しよう

適切な管理委託費にするには、マンションの規模に見合った管理会社を選ぶことが大切です。マンションの規模を基準にして、高くなったり安くなったりしていないかを確認し、損をしないようにしましょう。

もしも、管理費用が高すぎたり安すぎたりして不安を感じた場合、または管理委託費が適切かどうか気になる場合は、他のマンション管理会社の話を聞いて参考にするのもひとつの方法です。

クレアスコミュニティーでも問い合わせを受け付けているので、マンション管理委託費でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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